帳票プラグインでは ver 2.3.1 から帳票出力時に添付ファイルフィールドのファイル名を条件に指定できるようになりました。これにより、一括帳票出力実行時にすでに出力済みのものの再出力を省くなどのより柔軟な生成が行えるようになりました。今回は、以前作成した、作業報告の月次レポートアプリに対して帳票プラグインをセットし、レポートを出力できるようにしてみたいと思います。
添付ファイルフィールドの追加¶
まず、kintone のフォームフィールドに添付ファイルフィールドを追加します。

帳票の追加¶
つぎに、帳票プラグインを有効化したうえで、帳票の追加から、「帳票名:月次報告」「帳票タイプ:標準」として「テンプレートの設定へ」をクリックします。

ここまでで、プラグインの設定画面に「月次報告」の帳票が追加されていることをご確認ください。次に、テンプレートの下の「月次報告」の文字をクリックしテンプレート編集の画面に遷移します。

テンプレート編集¶
今回は生成するPDFの中身については対象外のため「テンプレート編集」での詳細なテンプレートの定義は行いません。白紙のA4のPDFファイルをこちらよりダウンロードしてドラッグアンドドロップで登録するものとします。

基本設定¶
次に、「基本設定」のタブを選択し、PDFの出力ファイル名と出力先のフィールドを指定いたします。以下のように定義するものといたします。
| 出力ファイル名 | 月次報告_{{複合キー}}_{%@NOW@/yyyyMMddHHmm%} | フィールドの値と時刻を組み合わせたファイル名を指定することが出来ます。 |
|---|---|---|
| 添付ファイルフィールドへの保存 | 添付ファイル | 初めに追加したフィールドを指定します |
| 添付ファイルフィールドへの保存方法 | 同じ名前のファイルがあれば置き換え | ファイル名に時間を入れているため重複は基本的にないですが、重複した場合は置き換えるものとします |
| 出力時のダウンロード | ダウンロードしない | 添付ファイルフィールドに保存するのみとしダウンロードは行わないものとします |

出力条件¶
次に、「出力条件」のタブをクリックしてください。条件を設定するフィールドをドロップダウンから選びます。次に、演算子と値を組み合わせて帳票出力するための条件を定義します。演算子としては「次のキーワードを含む」「次のキーワードを含まない」という二つがあります。
例)添付ファイルが何も無い場合¶
例えば、添付ファイルフィールドに何も添付されていないときにのみ帳票出力したいときは、以下のように、フィールド:添付ファイル、演算子:「次のキーワードを含む」、値:「」。値には何も入れずに空白にします。

例)添付ファイルに特定のファイル名のファイル(拡張子png)が無い場合¶
例えば、添付ファイルフィールドにPNG画像ファイルが添付されていたら出力したくない場合、フィールド:添付ファイル、演算子:「次のキーワードを含まない」、値:「png」。ファイル名にpngという文字列が入っていないことが条件となります。

また、複数の条件の組み合わせることも可能です。
以上の設定を行った後、「設定をして戻る」を押しプラグイン設定画面にもどり、「保存する」を押したうえで、アプリの更新を行ってください。これにより、一覧ページに「一括帳票出力」ボタンが出現するはずです。
一覧帳票出力¶
添付ファイル生成前¶
一覧ページに戻ると、リストページの上部に一括帳票出力ボタンが生成されていることを確認してください。

出力条件にどのレコードも当てはまらなかった場合¶
もし、条件に一つも合わない場合、一括帳票出力を押しても以下のようなポップアップが上がります。

画像を添付して特定のレコードのみが生成対象になった状態¶
出力条件にPNG画像が無いときというルールをセットした状態で一括帳票出力を行うと、添付ファイルフィールドに画像ファイルが無いレコードに対してのみ帳票が出力されました。

まとめ¶
いかがだったでしょうか。いままで絞り込み条件を工夫して絞り込んでから一括帳票出力していた手順と比べると帳票出力の条件に添付ファイルフィールドの条件を指定することで格段に手順を短縮化できたかと思います。